日本のリスク資産を増やすために必要なこととは?

日本のリスク資産を増やすために必要なこととは?

各国の家計金融資産における構成比率を見ると、日本の現金保有率の高さと言ったら。
日本の現金預金の比率の高さは52.1%と、主要国と比較しても高いですね。
特にアメリカと比べた場合、その差は歴然です。

この差の理由は何でしょうか?
一つは、株式市場への信頼度の差、
一つは先進国各国に比べ、リスク資産への税制優遇制度の差であると考えています。
ニューヨーク市場の主要指数であるダウ工業指数は、
金融危機時の下落が度々あれど、それでもリスクオン時には資金が入り、右肩上がりに成長してきました。
つい最近、最高値を更新したばかりです。
一方で東証の日経平均株価は、最高値を更新するどころかまだその半分程度しか戻っていません。
これでは「リスク資産は損をするもの」という漠然としたイメージが定着してしまっても無理からぬ話ですね。
一方、欧州勢は豊富な税制優遇措置で金融市場の裾野を広げています。
各国の税制優遇制度
フランス:
株式・出資金の比率が高めだが、投資家への税制上の優遇措置となるPEA(Plan d’epargne en actions。
同口座で5年以上保有し続けると配当や売却益は非課税になる)が有効に使われているのが主要因。
イギリス:
保険・年金の値が6割近くと、今回挙げた国の中では最大の比率を呈している。これは同国では税制上の優遇措置によって、一時払いの個人年金などが個人の貯蓄の手法として広く普及していることに加え、公的年金が民営化されているのが原因。
カナダ:
カナダは「その他」が4割と大きな値を示しているが、これは特にデータベース上説明はないものの、下記の非課税制度が主要因。
TFSA(Tax-Free Saving Account。非課税貯蓄口座)
RRSP(Registered Retirement Savings Plan。税制適格退職貯蓄制度)
RESPs(Registered Education Savings Plans。税制適格教育貯蓄プラン)

以上、日本のNISA的な制度が山ほど整備されています。
日本はようやくNISAが導入されて数年立ちますが、この制度も5年間の非課税枠、という年数を限定した制度であり、「長期投資」を奨励するには短すぎますね。ジュニアNISAが導入されて、ようやく長期目線の投資を奨励し始めましたが、これも資金の引き出し等に制限がかかったりする、「うまく利用すれば便利だけど結構めんどくさくて微妙」な制度ばかりです。

故に、「どうしたら日本の現預金が、別の資産に振り分けられるようになるか」という問に対しての回答は、欧州のように目的をもった、もっとシンプルな税制優遇措置の設置の必要性でしょう。
イギリスのような個人年金を奨励する税制措置、
フランスのような長期投資を優遇する措置、
カナダのような多様で便宜を提供する制度の整備など
また、リスク性資産の選択肢を増やすのも、現状を変える手立てとしては有効かもしれません。
金融商品の品質が必要不可欠です。要は「いい商品」があれば、資金は勝手にシフトするはずなのです。
最後に、やはり、裾野の拡大には金融に携わる人間の質の向上も欠かせないでしょう。
米国では、個人向け証券市場と独立系アドバイザービジネスが活発だ。RIA事業は21.2%→2018年には28%に拡大、成長しています。
自社より顧客の利益を重視。使っているものはETFである。彼らのビジネスでの仕事内容は、
①投資できるものを調べる
②流動性を調べる
③インデックスの現物保有に立ち戻る
といった感じで、顧客に的確なアドバイスを促します。
顧客とのコミュニケーションは…コメンタリーを配布。ポートフォリオをEメールで説明しているのです。
信頼できる相談相手(証券会社、FP)の存在が、米国の金融市場を支えている面もあるでしょう。
こうした営業方法は、正直、日本ではあまり浸透していないように思えます。
回転売買が問題視されていた日本の営業スタイルから脱却出来ていない現状を鑑みると、日本の営業スタイルはまだまだ努力すべきところがあるだろう。
ポートフォリオマネージャーとして提案書が作れる人材になるか、単なる売り子化で収まるか。どちらかの二極化が進むことは必至です。

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