IOCについて徹底的に調べてみた

IOCについて徹底的に調べてみた

1. ICO(イニシャル・コイン・オファリング)とは

企業や団体が、株の代わりにビットコインやイーサリウムといった流動性の高い仮想通貨と交換できる「トークン」を発行し、新事業に必要な資金を集めること。発行者の事業計画に期待した投資家は、実現するサービスや製品をトークンで購入できるほか、トークンは市場で流通した段階で、上場先の仮想通貨取引所などで換金できる。
この資金調達法は実は数年前から存在したが、直近の仮想通貨ブームにより海外を中心に事例が増えてきたことで一気に注目を集めている。2014年からの調達総額は17.8億ドル(1900億円)に達し、足元の17年4~7月はベンチャーキャピタル(VC)からの調達額を抜いた。低コストでかつ短時間で資金を調達できるので、投機マネーがブームを支えている。だが、投資家保護のルールが未整備で、事業内容に疑問符が付く企業も紛れ込んでいることもあり、規制当局が神経をとがらせていた。

2. トークンとは?

トークンとは何かという定義はきちんとしたものは実はない。簡単に言えば「ブロックチェーン上で発行した独自コイン」をトークンとみんな何となく読んでいる。
ということは、ICOの仕組みを聞いて、「新しい仮想通貨を発行するってこと?」と疑問を持つだろうが、トークンは日本の資金決済法における「仮想通貨」の定義には該当しない。ICOで発行したトークンは円やドルなどの法定通貨と交換できなかったり、トークンと仮想通貨を相互に交換できなかったりするからだ。ただ、トークンによっては取引所で売買されて「仮想通貨」として扱われるケース(海外では実際に発効後人気が出て価格が2倍以上に跳ね上がったものもあるらしい)もある。じゃぁ一体なんなんだよ、と混乱するだろうが、どちらかというと、出資に応じて商品やサービスを得ることが出来る【購入型クラウドファンディング】に近いと説明できる。

3. 誰でもICOで資金調達は出来るのか?

現在、(日本では)特に制約はない。過去の例を見ると、わずか数人の事業者でも資金調達に成功している。新規株式公開(IPO)などと比べると、短期間での資金調達が可能となる。
大手取引所ビットバンクでチーフビットコインオフィサーを務めるジョナサン・アンダーウッド氏は、投資家への告知・宣伝機関を考慮しなければ「10分ほどで仕組みは作れる」と言っていたらしい。
株式には議決権行使や配当といったものが存在するが、ICOでは発行側に発生する義務のようなものがない。簡易なホワイトペーパーを提示するだけでよく、買い手も全体の何割かを保有したからと言って事業者への法的な影響力が増すこともない。
株などの有価証券によるIPOとICOの違い(ざっくり表)

過去のICO案件の事例

「テゾス」…新たなブロックチェーン技術で仮想通貨の脆弱性の克服を目指すプロジェクト
2億3000万ドル(約250億円)ほどの資金を得た。

「Ethereum」…仮想通貨でトップ3にランクインしている通貨だが、こちらはまさにICOによって資金調達が行われた。
当時のレートで1BT=2000ETHで取引されていた。

以上のように、ICOに関する厳密なルールは実は存在していない。そのため、投資家は開発チームによってしっかりホワイトペーパー(資金調達する目的や通貨の概要、ビジョンなどを記載したもの)を公式HPで発表している場や、Slack(LINEのようなコミュニケーションアプリ)で情報を取得するしか術が無い。

ただ、ICOに参加することによって新しい通貨を手に入れ、その後通貨が一般の取引所に公開されたあとの価値と比較すると、非常に高くなっている場合多い。また、ICOのクラウドセール期間中であっても、一番最初のタイミングとICO終了間際とでは、価値が全く異なる。故に、投資家たちはICO案件があった場合、こぞって最初のトークンを手に入れようと話題になるのである。

4. 中国でのICO規制について

2017年9月4日中国人民銀行通称PBoCが仮想通貨を使用した資金調達であるICOを中国国内で企業または個人により行うことを禁止するという発表。この発表、実は今年初めにはすでに監督当局による規制強化の動きが伝えられていたが、その動きが一気に実現したことになる。
今回のPBoCの発表を要約すると、
1.中国国内でのICOによる資金調達は企業または個人であっても今後は一切行うことを禁ずる。
2.ICOプラットフォームは取引または交換サービスの提供を禁ずる
3.調達された資金は投資家に返却されるべきである
となっており、同日、このICO禁止を受け実際にICOを行ったプロジェクトは返金を即座に発表した。

そもそも、なぜ中国でICOを規制する必要があったのかというと、おそらく中国国内でICO市場が急速に拡大し、リスクがコントロールできない状況へ発展する可能性が高まっていたからだと考えられる。
とくに、ここ数ヵ月の中国国内では異常なほどICOの人気が爆発しており、ICOが投機的なマネーゲーム化していたという背景があった。実際に、2017年にICO市場へ流入したチャイナマネーは39億ドルにも及ぶとのこと。中国政府としては10月の共産党大会を前に、外国への資本流出や資産バブルにつながる仮想通貨への警戒感をあらわした格好だ。
今後、中国では、過去に実施されたすべてのICOを含めて内容調査し、違法性がないかどうかチェックしていく方針。
また、既にICOで資金調達された資金も状況によっては凍結させ、不正利用できないようにする方針も明らかとなっている。

さらに15日には、中国の仮想通貨取引所大手「火幣網」と「OKコイン幣行」は融当局の求めに応じて、10月末までに仮想通貨と人民元との取引を停止すると発表した。すでに別の大手も14日に閉鎖を発表しており、3大取引所は全て閉鎖することになった。
これらの報道を受けて、ビットコインをはじめとするほぼすべての仮想通貨の価格に影響。
特にビットコインの下落幅は大きかった。(下図:ビットコインの価格チャート)

だが、これら仮想通貨の下落は中国国内での反応に反して過剰に反応した格好。PBoCが規制を発表するたびに”ビットコインが禁止された”とFUDが広まり価格をコントロールしようとする、またはリスクオフによる売りが必ずおきる。
一旦はショック的な売りが加速し、ビットコインは一時期30万前半まで下落したが、すぐに切り返している。

中国以外の各国の反応は?
中国の仮想通貨規制の動きにより、仮想通貨によるICOは世界的に規制されるのでは、という意見もある。ここで各国のICOに関する見解を見てみよう。
シンガポール…金融管理局(MAS)がICO規制に乗り出す。
MASは、取引所をはじめとするICO後のトークン売買を可能にするサービスを規制対象とするとしている。
「ICOは匿名取引を本質とするため、資金洗浄、テロリストの資金調達に利用されるリスクが高い。これによっ
て巨額の資金が短期間に調達されている」とMASは8月1日の声明で述べている。
カナダ…………8月25日、CSA(カナダ証券管理者)がICOに対して、監督する必要があることを明らかにした。
香港……………9月5日、香港の証券取引委員会(SFC)でも香港の国内・国外問わず実施される香港人が参加するICOが香港の法
律に違反していないかチェックする必要があると懸念を示した。
韓国……………企業やプロジェクトがICOを通じた資金調達は、違法性が認められる場合、罰則を課すことも示唆したという報
道は一部あるものの、韓国の記事を確認した限りでは、アメリカのようにICOの規制に関する声明を発表した
り、実際に証券取引法違反とすることを決定した事実はなし。
アメリカ………アメリカの証券取引所委員会(SEC)は1933年証券法のもと、イーサリアム上で発行されたトークンDAO(The DAO)
を証券であると位置づけたレポートを発表。The DAOの事件を受け、認可を受けないICOによる資金調達
は証券取引法に基づく処罰の対象となることを明言した。SECはICOに対して声明を発表しているもの
の、まだ決定的な行動を取っていない。
The DAOの事件を受けて、アメリカでは認可のないICOは規制する動きに。

5. ICOは廃れていくのか

中国でのICO規制を皮切りに、各国の金融管理者が怪しいICO案件に対し、何らかの規制や監視を強化する動きになってきたのは事実である。だが、個人的にはICOというプロジェクトが世界的に廃れていくとは考えていない。むしろ、今回の各国の見直しにより法整備がなされ、正しい取引ルールのもと、発展していくのでは、と考えている。

わが国、日本でも法律の整備が追い付いておらず、仮想通貨に関してはこれまで法的位置づけは曖昧なままだったが、2017年4月に成立した改正資金決済法(仮想通貨法)が成立し、ビットコインを始めとする仮想通貨は国から決済方法の一つとして認められた。これは世界に先駆けて日本が仮想通貨をお金として認めた大変画期的な法律だった。そして、利用者保護の観点から仮想通貨の取引所は国への登録が必要となると同時に情報の安全管理措置についての対策を講じることが義務化された。
モノではなく、決済手段であることから消費税法上の扱いも見直され、2017年7月からビットコインの購入にかかる消費税が課税から非課税に修正された。
世界に先駆けて仮想通貨法(改正資金決済法)を成立させた日本ならではのICOソリューションが登場している。仮想通貨取引所Zaifを運営し、プライベートブロックチェーン技術mijinを開発するテックビューロが8月3日に発表した「COMSA」だ。3種類のパブリックブロックチェーンに対応する点、システム技術としてプライベートブロックチェーンを利用する点、日本の仮想通貨法による法的根拠を売り物とする。
COMSAの1号案件として、この2017年10月にCOMSA自体のICOを実施する予定。2号案件は11月中旬に東証二部上場企業のプレミアムウォーターホールディングス、3号案件は11月下旬にCAMPFIREを予定している。
このプロジェクトは、10月一日より始動するものとして、日本でのICOが成功するかどうか、関係者が見守っているのが現状だ。
中国の規制当局も、「今回、ICOにおける規制は行うが、仮想通貨の技術となるブロックチェーン技術と、今後の国際的な資金通貨の流れは無視できない」と発言しており、仮想通貨の世界を全く批判しているわけではない。
よって、ICOの未来は、健全な市場環境が整い次第、次世代の金融システムとして新たに発展していくのではと予想し、今後の情報に注目である。

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