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LINE Payは成功なるか_QRコード決済の先行きについて

「LINE Pay」というサービス、皆さんご存知でしょうか?
LINE Pay(ラインペイ)は、株式会社LINEが提供する
モバイル送金・決済サービスのことです。
LINEの友だち同士でお金を送ったり、ネットショッピングや対応サービスの決済に利用することが出来る、とのことですが、実際に使ったことがある人は少ないのではないでしょうか。

LINEアプリに実装されているので、LINEを開いたらなんとなく「こんなサービスあるんだな」程度で認知されていましたが、ここ最近のLINEは総合金融サービスの提供に本腰を入れ始めたのか、様々な動きが見えてきました。
スマートフォンを使ったモバイル決済の分野は、日本ではまだ発展途中の分野となりますが、その中でLINEが頭角を現すのか。LINEの提供するサービスを紐解きながら考察してみようと思います。

LINE Payでできることをおさらいしてみる

LINE Payで出来ること、大きく分けて5つあります。

①お金をチャージする
②決済する(実店舗で・インターネットで)
③送金する
④支払い依頼・割り勘機能
⑤出金機能

以上の機能は、LINEの公式HPで紹介されている機能になります。
複雑な手続きは必要なく、LINEのアプリ上で設定したら簡単に利用できる、とのこと。
LINE Payで出来る機能とはつまり、「決済」そのものの機能を利用できるという事だと思われますが、
今一つピンとこないなぁと思いませんか?

「LINE Payの使い方」というキーワードで検索しても、やり方が大量にありすぎて何が何やら分からない、と感じた方は結構いらっしゃるのではないでしょうか。私もそうでした。
LINE Payは、正直「モバイル決済」と呼ばれる機能のほとんどを使える機能であり、その機能の豊富さが本来の決済機能の便利さをかき消してしまっているように思います。
サービスをじっくり見てみると、「決済方法は3つある」と結論付けられます。

LINE Payに登録したクレジットカードによる決済
この方法はapple payと同じ仕組みですね。LINEに自分が使っているクレジットカードを紐づけて、LINE STOREなどサービス加盟店サイトでの買い物で利用できる決済方法です。
クレジットカードでの決済になるので、使える上限は自分が持っているクレジットカードの上限である、と考えていいでしょう。

LINE Payカードを使った決済
LINE Payカードとは、JCBブランドのチャージ式プリペイドカードで、コンビニやスーパー、ECサイトで使用できるカードのことです。
JCBと提携していますから、国内外の約3,000万店で使えることが出来ます。
当然、プリペイドカードですから、チャージした分だけ買い物に使えます。
このカード、サービス開始2週間足らずで20万枚の申込を突破する等、とても人気だったようですが、人気の秘密はLINEのポイントの付与率が2%という、超魅力的なポイント還元率を誇っていたからです。
しかし、2018年5月をもってLINE Payカードの2%還元は終了されました。
人気だったこのサービスを終了させたのは、次に紹介するスマートフォンでのQRコードを使用した決済サービスの方へ顧客を流したいからだと推測しています。
今後は毎月のLINE Pay利用実績によって、ポイントや特典が与えられる「マイカラー」という特典プログラムに移行されるとのことです。

いずれにせよ、LINE Payカードは、「プリペイドカードのように使えるカード」ですから、申し込みをしたらカードの実物が届き、そのカードを通常のプリペイドカードのように使うイメージで間違いありません。
そもそも、日本人のプリペイドカードの利用率は確か4%にも満たない数字だったと記憶していますので、
いくらポイント還元率を高くして健闘したところで、最終的な決済方法としては選ばれない、とLINE側が判断した結果だと考察しています。
私も、この決済方法は選択肢のうちの一つとしてはありだと思いますが、「自分は使わない」と思いました。

③バーコード/QRコード決済
さぁ、本命の登場ですよ、皆さん。
お隣の中国に行くと、道端の屋台でさえもこのQRコードを使った決済が主流で、「現金お断り」なお店が多いんだとか。日本で生活しているとあんまりなじみが無さそうな決済方法ですが、今後、この決済方法が増えていくんじゃなかろうかという動きが出ています。
バーコード、QRコードの決済方法には2種類あって、
●自分のスマホに表示したバーコード/QRコードを読み取ってもらう場合と
●店舗側が提示しているQRコードをスマホで読み取る場合があります。
現在は、スマホに表示したバーコード/QRコードを読み取ってもらって決済するケースが多いようです。

使用するには、まずLINE Payに登録した銀行口座からオンラインチャージをするか、
コンビニなどの店舗でチャージするかの2択です。
銀行口座を登録する場合は、セキュリティ強化のため、身分証明画像などを本人確認書類としてアップロードしなくてはならない場合もあります。ちなみに、この身分証明画像をアップすれば、チャージできる金額の上限が一気に引きあがりますので、多めの金額を使用する人は登録しておいた方がよさそうです。
LINE Payカードからもチャージできるそうですが、クレジットカードではチャージが出来ません。

LINE Payをややこしくしている「LINE Cash」と「LINE Money」のアカウントの違い

LINE Payのアカウントには「LINE Cash」と「LINE Money」の二種類があるって知ってました?
簡単にこのアカウントの違いを説明すると、本人確認の有無が有るか無いかです。

LINE Cash
通常の設定がこっち。
コンビニなどで現金チャージ・バーコード/QRコード決済をするだけならCashアカウントで十分。

LINE Money
本人確認を行っているので、Cashアカウントよりレベルの高いアカウントになる。銀行口座からのチャージやLINEの友達へ送金、LINE Pay残高を現金出金するにはMoneyアカウントが必要。

自分のアカウントがLINE Cashなのか、LINE Moneyなのかを確認する方法は、LINEアプリ上で簡単に確認できます。

ちなみに、LINE CashからLINE Moneyへアカウントを移行するには、上記の設定の画面で

①個人情報の入力
②本人確認の身分証をアップロード
③提携口座登録

の3つの行動が必要になります。時間はあまりかからないようで、登録をした翌営業日にはアカウント移行が可能のようです。

ちょっと話が脱線しましたが、この二つのアカウントの違いを知っていたら、出来る決済の幅が分かってくるのでお話ししました。とりあえず、バーコード/QRコードの決済は、どちらのアカウントでも使うことが出来る、という事は覚えておいてください。

LINEが仕掛けたバーコード/QRコード決済の本当の破壊力

LINE payが使えるバーコード/QR決済は、現在はコンビニのローソン、いくつかの居酒屋やドラッグストア、家電量販店で使えますが、使えるお店の数はそんなに多くはありません。ですが、今後、この決済方法が使えるお店を劇的に増やす、とLINE側は宣言をしています。
LINEの戦略はこうです。
スマートフォンにインストールするだけの決済専用アプリを配信。
経営者はアプリをインストールするだけなので新たな機器を購入する必要が無く、初期費用はゼロ。
しかも、LINEが提供する方法で決済を行った場合、手数料が無料になる(3年間限定)というのです。

このニュースは、6月28日にLINEから発信されたのですが、QRコードを使った決済サービスを展開するスタートアップ企業らに激震が走る大事件でした。

本来のQRコードやバーコードを使った決済サービスを提供する企業のほとんどが、初期費用プラス決済手数料で利益を取っているパターンがほとんどだったからです。
販売額に応じて決済手数料を課すビジネスモデルは、日本では現在3~4%が主流です。
米国では2.5%、中国では0.5%~0.6%がスタンダードな世界。
そこをLINEは「手数料を無料にする」ときたもんですから、そのインパクトは相当デカいということ、
なんとなくご理解いただけると思います。

何故、LINEはここまで大胆な戦略をするのか。
それは加盟店開拓を加速させるためです。
当然ですが、バーコード/QR決済の決済方法を成立させるには、店側と顧客側に決済を行う共通のシステムが存在しないと成立しません。日本で今まで、QRコード決済が盛り上がってこなかったのは、日本の現金至上主義が主な理由になりますが、
まず決済システムとして統一したインフラが無かったことも理由の一つだと思っています。
そりゃそうです。
いくら便利でも、使える場面が極端に少なければ、流行るものも流行りません。

決済手数料を無料にすることで、QRコード決済が使用できる店舗の裾野を拡大させ、QRコード決済を利用する母数を増やし、
その母数から取得できる膨大なデータを今後のビジネスに活用させる
というのが、LINEの真の狙いなのです。

LINEはQRコード決済のトップリーダーとなるのか

現在、QRコード決済を提供しているサービスを並べてみました。
●アマゾンPay
●セブンPay
●イオンPay

●LINE Pay…メジャー
●楽天Pay…メジャー
●Origami Pay…メジャー
●d払い…メジャー
●メルPay
●Yahoo!マネー…マイナー
●ソフトバンクPay

●Jコイン
●MUFGコイン
●BankPay
●銀行Pay
●ゆうちょPay

●Pring…銀行系
●paymo…マイナー
●ドットPay
●PAY ID…個人向け
●pixiv PAY…イベント向け
●SKIYAKI PAY…イベント向け
●YOKA!Pay…銀行系
●はまPay…銀行系
●Sma-sh pay…マイナー

…多いわ!
これだけQRコード決済の規格が入り乱れているのが現状で、この決済方法が普及する訳がない…とは思いますが、
今回、LINEが本気で参入してくるニュースを聞いて、QRコード決済は今後の日本での決済方法としてある程度のシェアを取るかもしれない、と個人的に思いました。

物事が流行る、というか、人々に浸透するには2つの要因が無いと浸透しない、と常々思っているのですが、
1つ目は政府が主導する
2つ目は小規模コミュニティで人気が出てそれが大規模に拡大する
以上の2点ですね。LINEは、もうすでに2つ目の小規模コミュニティでの成功→大規模コミュニティへの発展という、
イノベーションの発展成功例を達成してしまっているんですよ。
LINEというアプリそのものの普及が、既に成功例としてあるので、相当LINEは強気なのではないか、と思っています。

なので、LINEの戦略は強気にみていいのではないか、と考えています。
現在のLINR Payの流通総額は1,300億程度と、まだまだ少額ではありますが、
これは裏を返せば伸びしろがありまくる、という事だと思います。
現金に代わって決済方法の主流になるとは思いませんが、SUICAやPasmoなどの交通系ICカードの2016年の流通総額5兆円程度の規模ぐらいは狙ってるのでは…
いずれにせよ、今後の動きも注目していきたいと思います。