iDeco(イデコ)は20代30代なら絶対加入すべき制度なのですが、
以外にあまりこの制度の良さが知られていません。
iDeco(イデコ)の何がいいのか?メリットは何か?
を徹底的に解説します。

【この記事を書いてるのはこんな人】
証券会社で商品組成に関する業務に10年従事。株、債券、投資信託の商品性のスペシャリスト。今は財務に関するお仕事をしているので財務・会計・税金にも強くなりました。
お金の勉強を初めてから初心者を脱し、中・上級者を目指す人に向けてのポイントを発信。もちろん、初心者にも分かりやすい情報も。【AFP(ファイナンシャルプランナー)/上級相続診断士】資格保有。
iDeco(イデコ)という言葉を聞いたことあるでしょうか。
個人型確定拠出年金(iDeCo)は、確定拠出年金法に基づいて実施されている私的年金の制度のことです。
この制度、作られたのは平成13年の時なのですが、
平成29年1月から、基本的に20歳以上60歳未満の全ての人が対象になり、
実質的に成人日本国民全員が加入できるようになった制度です。
全員が加入できるようになったんですが、あなたは検討しました?
ぶっちゃけ言いましょう。
「加入してない・考えたこともない」って人は大変もったいない…‼
確かに、加入は任意ですので、申し込もうが申し込まなかろうが個人の勝手なんですが、
このイデコという制度、金融機関に働いている人間の私が無条件で「絶対に入った方がいい」と思う制度なんです。
何故か。理由は5つあります。それをこれからお話ししましょう。
1:iDeco(イデコ)は自分で作る私的年金制度だから
もう、これは分かりますね。(笑)
不透明な年金制度を当てにするより、自分で年金確保しとこうze★っていう話です。
iDeco(イデコ)は、自分が拠出した掛け金を自分で運用し、資産形成を図る年金制度。
ぶっちゃけ、皆さん、自分がいくら年金もらえるか知ってますか?
ネットを計算すればシミュレーション方法が山と出てくるのであえてここでは言及しませんが、
月々十分な年金をもらえるのは一部の人たちだけってのは何となくお分かりですよね。
じゃぁ、足らない部分、貯金で賄うかってなると思うんですけど、
えっ、その貯金、イデコに回してたら税金で取られた分も貯金できたんですよ!?ってこと、なかなか知られないんですよね…
この点は次のポイントで詳しく話すとして、
で?実際いくらもらえるの?というご質問。
ずばり、答えは「運用結果次第」で決まります。
その800万円を一括で受け取ってもいいし、
5年以上20年以下の期間で年金としてもらってもいいし、
一時金と年金を組み合わせてもいいのです。
※ただし、通算加入期間で受給が可能な年齢は変わります。
800万円貯めれたから、20年間は厚生年金に上乗せで貰いたいなって人は、
もちろん、この「800万円」という金額は、
あなたが拠出(積立)した金額と、運用の成果で変動しますから、
月々いくら積み立てたらいくらくらい貯まるのかな~というざっくりとした計算はしておいた方が良いでしょう。
私は楽天の簡単シミュレーションで良く計算を行います。
多くのモデルケースで良く出てくるのは4%ですね。
この数字、皆さんどう思われます?実現可能だと思います?
ハッキリと言いましょう。4%で運営出来たらあなたは資産運用の達人級です。
米国の有名な資産運用会社も、世界各国のプライベートバンカーでも、2%~4%のリターンが普通です。
プロ中のプロが運用やってその程度の数字ってことは覚えておいてください。
絶対元本割りたくないって人は元本が割れる確率が低い債券でポートフォリオ組むことが大半だと思いますけど、
国債オンリーで組んで、1%くらいかな~なんて思ってる人は頭の中お花畑過ぎるのでそんな幻想は今すぐ捨てましょう。
国債オンリーで組んでれば期待リターンは0.01%あるかないかですよ。
株のインデックスは10年、20年の長期スパンで見れば5%を超えるリターンを上げているインデックスも存在しますので、
商品選びは割と慎重に行った方が良いと思われます。
ちょっと脱線しましたが、イデコのイメージをちょっとでも理解していただけたらOKです。
2:税制優遇が全ての金融商品の中で断トツで優遇されているから
上記でもちらっと言いましたが、iDeco(イデコ)の最大のおすすめポイントはここです。
税金がここまで優遇される金融商品はiDeco(イデコ)だけです。
- 掛け金金額が所得控除に
- 運用益が無課税
- 年金として受け取る場合「公的年金控除」、一時金の場合は「退職所得控除」の対象に
運用益が無課税となるのはNISA口座でも同じなのですが、
一番違うのは掛け金も所得税控除の対象となる点。
これはめちゃくちゃすごい。
一月のお給料から引かれる所得税って、結構皆さんデカいと思うんですけど、
掛け金を控除対象に出来ることから、
手取りもUP(拠出するんで最初はマイナスですが、
長い目で見ればプラス)・年金もUP(かもしれない)出来るのが、iDecoなんですよ。
凄くないですか?
なんで皆この制度利用せずに馬鹿正直に貯金してるんですか?老後のために♡
なんて言って貯金に回すんだったらiDecoに回した方が良くないですか?
ここまで言ってもピンと来てない人は下記のリンクでどれだけの金額が節税出来て貯金に回せるのか計算してみてください。
私は月々1万2千円ほど拠出してるんですが、30歳扶養無で
iDeco(イデコ)に加入していれば年間43,800円の節税効果が出るとの結果でした。
年間43,800円ですよ????
え、ナニコレめちゃめちゃ節税効果高いし、浮いたお金が老後に回せるって考えたら
この制度を利用しない人の方が理解できないレベルで素晴らしすぎる。
マジでiDeco(イデコ)は全・日本人がやるべき…
しかも運用益も非課税なのも素晴らしすぎるし、
年金として受け取る時も控除対象にしてくれるって
そこまで優遇しちゃっていいんですか!?
と、金融機関勤めの人間からすると度肝抜かされる税制の優遇っぷりなんです。
ありがとう、厚生労働省…唯一、素晴らしい制度を作ってくれた…
3:少額(月々5,000円~)から始められ、掛け金金額は1,000円単位で自由に設定でき、手軽に始められるから
3つ目のポイントですね。
iDeco(イデコ)をおススメするポイントの大部分は↑の2つなんですけど、
加入するハードルがめちゃめちゃ低いこともポイントだと思います。
なんと、月々5,000円~OK!
しかも掛け金は1,000円単位で自由に設定できるから、1万円で設定していて、
「今月マジでヤバイ」って時は設定を変更出来て無理なく続けられるっていう点はかなりポイント高い。
ですが、自分が拠出できる掛け金は上限がありますので、
その点は公式HPで確認いただくか、所属企業の総務に問い合わせした方が良いでしょう。
4:“資産運用”の一番優しい入門商品となるから
iDeco(イデコ)で投資できる商品は、基本的に投資信託が多いです。
株式や債券、REIT型、保険型、指数参照型、
バランス型とバラエティに富んではいるのですが、
基本的に投資信託に投資するスタイルですので
何故初心者にうってつけなのか、というと、
まぁ「投資信託中心だから」の一言なんですよね…
プロの運用方法は、指数に連動する投信に投資するパッシブ運用と、
投資先対象商品をアクティブに決定するアクティブ運用の2種類に分かれるんですが、
シンプルなのはパッシブ運用の方。
パッシブ運用とは
投資信託などの運用手法による分類のひとつ。
別呼称でインデックス投資とも。運用目標とされるベンチマーク(日経平均株価やTOPIXなどの指標)に連動する運用成果を目指す運用手法のことをいいます。
日本において運用資産の67%、米国においては37%がパッシブ型の運用方法で占められています。
このように、参考にしている指数(日経平均とかダウとか)があって、
その指数に連動するように作られている商品がありまして、
とにかく、投資のプロもこの手法で運用しているってことなんですよ。
「分かりやすい」のは、指数に連動しているため、
指数の動きさえ見ていればいいから。
もちろん、指数もたくさんありますから、
その中から投資する商品をチョイスすることになるんですが、シンプルなパッシブ運用は
複雑な仕組みが組まれた金融商品や新興国の通貨やら個別銘柄に投資する場合に比べて、
見る情報源も豊富ですし、比較的分かりやすいものなんです。
自分で投資するようになると、
「今日の日経平均、どうなったろう?」
「アメリカの株価が下がっている、なんでだろう?」
と色々疑問が出てくると思われます。
経済が動くには必ず原因がありまして、
その都度情報を追っていれば、「経済って、こういうことだったんだ」と理解できるものと考えております。
iDeco(イデコ)をきっかけに、
投資に必要な経済の知識を身に着けていただくと良いかと思いますので、
私はおススメしております。
5:長期で持てば持つほど、勝つ確率が上がるから
「そうは言っても、投資ってやっぱり損するんでしょ?」
と思っている金融リテラシーの無い方へ。
三菱UFJ国際投信が作った「グローバル時代の投資戦略」の最後の方のページを是非見ていただきたい…
https://www.am.mufg.jp/market/report/pdf/senryaku_180416.pdf
このレポートの「10.投資戦略」の部分には、
どんな資産を選べば資産形成に最適なのか簡単に解説されています。
2002年~2018年までの全期間の平均収益率も掲載されておりまして、
その収益率を見ると、リーマンショックが起こった時期を経ても、
ほとんどの商品がプラスの成績を上げていることがご理解いただけると思います。
リーマンショックは100年に一度の経済危機と言われましたが、
この時期を経てもプラスなのは、投資期間を長期で見ているからです。
長期で持つことが最も資産を効率よく育てられる方法である、という考え方が主流です。この考え方に、iDeco(イデコ)はベストマッチングする、という訳です。
ですから、20代、30代の若いうち、つまり、長期で金融商品を運用できる、
確かに、iDeco(イデコ)は運用成績によって結果の変わる制度です。
ですが、今あげた5つのポイントの通り、制度を利用した人間には大きなメリットがあると考える制度ですので、
是非この制度を利用することを一度検討してみた方が良いと思います。
分かった!iDecoやる!と思い立ったら…
まず証券会社に口座を作ろう
ここまでこの記事を真剣に読んでくださってありがとうございます。
iDeco(イデコ)は様々なメリットがあるため、わたくし、金融機関に勤めて10年を迎えますが
ぶっちゃけ一番良い金融商品だと思っています。
割と上記の2社はiDeco口座の普及に力を入れており、商品のラインナップも問題ないかと。
ちなみに、勤めている会社の福利厚生として、
「確定拠出年金制度」がある企業に勤めていたら、
会社側が金融機関を指定している場合もあるので、
お勤めの方は一度自分が働いている企業の規定をチェックしてから申し込みましょうね。
そんなんないよーって人はどこの金融機関で申し込んで大丈夫ですが、
税金の優遇を受けるには年末調整が必要ですので忘れずにしてくださいね!